「グレートリセット」という言葉を聞いたことはあるだろうか。
いまある金融システムが崩壊して、経済の仕組みが根本から変わってしまう可能性のあるテーマである。これにより、今までの社会経済に関する常識が一切通用しなくなるだろう。
グレートリセットは「ダボス会議」に取り上げられているテーマでもあり、世界的に議論されている内容なのである。
今回はそのような、これからの経済システムの常識を変えるグレートリセットについて深掘りをしていきたいと思う。
目次
グレートセットによって経済システムの改変が起こる
「グレートリセット」とは、いまの社会全体を構成するさまざまなシステムをいったんすべてリセットすることを示すことである。
今ある経済システムは戦後(第二次世界大戦)に作られたものがほとんどだ。
今あなたの中にある経済の常識はここから作られているのである。しかし当然ながらこの経済システムは、現代社会で大きな歪みを生み出していることはうすうす気づいているのではないだろうか。
- 政府主導のステークホルダー経済の実現と公平なルールづくり
- 新たな投資プログラムの活用
- 第四次産業革命のイノベーションを活用した上での、健康と社会的課題への取り組み
上記は、グレートリセットを実現させるための重要な取り組みとされている。今回はあくまでも参考までに捉えていただきたい。
【解決したい課題】
新しい経済・政治システムを実現する
【そう思ったきっかけは?】
「グレートリセット」が経済アナリストや投資家の間で話題となっている。
もし近いうちにグレートリセットが起こったとすると、どのような未来になるのだろうか。特に、事前にベーシックインカムが導入されない場合、私たちの暮らしはどうあるべきか考えてみた。
【何がそうさせているのか?】
- 本当に買う必要があるのか?
- 本当にグローバル化する必要があるのか?
- 本当に資本投入で世界は良くなるのか?
現在の状況をみてこのように疑問を持つ人は少なくないだろう。
資本主義は今のところ最適解ではあるが、完璧ではない。
現在、世界の一握りの資産家に富が集中していることはもちろん、日本でも貧困の連鎖などで経済格差が固定化してきている。
システムの性質上、もはやこれ以上の維持は厳しいのではないだろうかと考えても不自然ではない。
ただ、グレートリセットが一部の権力者のもとで行われれば、我々庶民は大きな混乱と制限のなか生きていかねばならなくなるだろう。
そのあり方については慎重にならねばならない。
今このような議論が盛り上がりをみせているのは、感染症流行をきっかけに大きく変化する世界情勢が、庶民にも身近に感じられるようになったからではと思う。
これまで世界で冷熱大小さまざまな戦争が起きても、末端経済は根本から変わることはなかった。
リストラで悲惨な目に遭ったりトイレットペーパーが手に入らなくなったりしても、我々は疑いなく昨日と同じ経済活動を続けてきた。
しかし、その経済を維持し続けている支えとは一体何だろうか。
膨らみ続ける数字は、すでに貨幣経済を超越している。
もはや現金はほぼ必要なく、あとはその数字をいかに精算するかという時期にきているのではないだろうか。
【既存サービス、取り組みについて】
デフォルトといえばギリシア危機が記憶に新しいが、過去にデフォルトを宣言した国や、格付け会社からデフォルト状態とみなされた国はいくつもある。
最近はレバノンも対外的な支払いを延期したことが報じられた。
デフォルト状態に陥る国は、この状況下で今後さらに増えるのではないかと懸念されている。
日本も終戦後の債務超過と賠償金支払いから脱するため、預金封鎖や財産税による国民からの徴収を行った過去がある。
さらに歴史をさかのぼれば、鎌倉時代の「永仁の徳政令」、江戸時代の「寛政の改革」での「棄捐令」など、部分的な借金帳消しについては数々行われてきた。
デフォルトが起きてもなんとか市民生活が維持され経済が再建される例もあれば、アルゼンチンのように暴動が起き社会的混乱を引き起こす例もある。
「グレートリセット」によりどこまでリセットされるのかは分からないが、現行の資本主義が終わったとしても社会主義に転向するという単純な話ではないだろう。
ただ、より持続可能な経済社会であるべきという理念によるものなので、少なくとも経済の価値観が変わるくらいの変化が起こるだろうと考えている。
【だからこうした方がいいんじゃないか?】
グレートリセットがどのようなものであれ、ひとたび起こればその世界で生きていかなければならない。
我々庶民は、それを見越した人生設計を立てておく必要があるだろう。
例えば、ゴールドや不動産などこれまで堅いとされてきたものが果たして今後も価値を持ち続けるのか再考しなくてはならない。
極端な策に出る必要はないと思うが、同種の資産を過剰に持ちすぎていないか、あるいは価値が変わらない前提で商品を買いすぎていないか、個人の経済を適正化することが第一だ。
加えて、市場の価値が変わっても困らない買い物をすることが肝心だろう。
しかしその点で、グレートリセット以前にベーシックインカムが導入されていれば、社会的混乱を最小限にできるはずだ。
リセットにより完全に利益の出なくなる企業もあれば、思わぬ儲けを生む企業もあるだろう。
総税収が減らないかぎり、再分配によって国民生活は当分のあいだ安定させることができる。そして徐々に新経済へ移行することで、盤石な体制が築けるのではないだろうか。
これが導入されないままグレートリセットが起こった場合、個別に救済措置をとるとなると今回の感染症の事例のように時間がかかる。
ここで慌ててベーシックインカムを導入を議論しても、儲けた企業からの反発が起きすぐには施行されないだろう。
そうなれば覚悟の上で、資産よりも非常時にいかに生活維持できるかに焦点を当てて対策することが必要なのではないだろうか。
【なぜそう考えるのか?】
グレートリセットが確実に起こるかどうかは誰も教えてくれない。
ただ、例の感染症の影響以前から、経済の方向性には変化がみられはじめていた。
まず働き方改革だ。満員電車でのオフィス通勤、終身雇用の限界、ブラックな労働環境など、これらを改変する動きが政府主導で始まっていた。
次に不動産で言えば、今後は空き家があふれ資産価値のない住宅が増えると予想されていた。
サブスク住宅すら登場するいま、家を持たず一生賃貸という考え方も出てきている。
いくらお金をかけた家でも、これから新しい働き方や生活様式にそぐわない物件は買い手借り手の選択肢から外れていくだろう。
(参考:https://www.youtube.com/user/nagashimaosamu)
そのように経済の変化が進むと、奨学金を借りて大学へ行き、新車や新築一戸建てをローンで買うというビジネスモデルにもいよいよ限界がくる。
グレートリセット以前に、市民レベルで新たな経済社会の構築が必要な時期に入っているのではないだろうか。
20XX年、未来はこうなる!
2030年、グレートリセットにより経済が変わる