2022年現在、メタバースが盛り上がりを見せている。
Meta(旧Facebook)社が先駆けて手がけている事業なのだが、メタバースとは、インターネット上の仮想空間において、自分のアバターを作成して行動できる仕組みを持ったものである。
メタ(meta=超越した)、ユニバース(universe=宇宙)を組み合わせた造語で、仮想空間の中でさまざまな活動ができるようになる技術なのだ。
他のユーザーともアバターを通して交流でき、SNSのように交流目的でも活用できるだろう。
今回は、メタバースのようなアバター交流が障がいを持った人にとってどのような可能性を広げられるか、未来予測をしていきたいと思う。
目次
メタバースと既存技術にどのような違いがあるか
メタバースは一見すると、全く新しい概念のように感じられる。しかし、実はすでに存在する技術から進化したり、大きく機能が拡張したりといった先にあるのが「メタバース」なのだ。
MMO RPGやFPSタイプのゲームなどは、「アバター」という考えではないものの、メタバースのような機能も持ち合わせている。ゲームのようにキャラクターを通して交流することは、実は以前からある概念なのだ。
現実では障がいを持った人でも、アバターを利用することで活動の幅を広げられるだろう。
【解決したい課題】
発達障がいをおぎなう社会を実現する
障がいと言っても、その内容は様々である。身体的な障がいや学習障がいなど、内容も大きさも違うのだ。
しかし、そういった障がいを持った人は一般的な仕事を困難とすることもあり、社会的に窮屈な思いをしている人も多い。
【そう思ったきっかけは?】
医療や教育の現場における発達障害に対する取り組みや考え方は進歩してきたが、経済社会ではどうだろうか。ダイバーシティの取り組みや障がい者枠で雇用された人材を活かしきれているだろうか。
なかなかうまくいかない点について考えてみた。
【何がそうさせているのか?】
表向きにモラルを整えても、かつての価値観はゼロにはならない。
いまだにひどい差別意識をもつ人もいるだろう。
その原因のひとつとして、一部の障がいでは身だしなみや振舞いに違和感を覚えることが起きやすい。
本人の努力不足ではないにもかかわらず、医学的な理由で見た印象が悪くなってしまう場合があるのだ。これは本人が意識して変えるには、難しいものである。
したがって、差別意識を感じる人は一定数いるのかもしれない。
【既存サービス、取り組みについて】
医療面や教育面などで、様々な取り組みがされている。
医療においては、早期の診断や療育によって、その人なりの社会適応能力を養おうと取り組んでいる。また教育においては、研修などで教員の意識改革をしたり障がいに合わせた授業が行われている。
このようにいくら便利な世の中になったとはいえ、本人に可能な限りの適応力をつけ、周囲のリテラシーを高めるといった根本的な取り組みも必要だろう。
【だからこうした方がいいんじゃないか?】
アバターで仕事する社会へ。
見た目が重要ならば、そこもテクノロジーで解決できればいい。
そもそも通勤や身支度の負担を減らせるので、社会全体で考えてもリモートワークや在宅勤務がより進みやすくなるのではないか。
自分にそっくりなアバターを作ったり、ビデオのエフェクト機能などによってリアルタイムでアバターを動かしたりする技術は既にリリースされている。
そのうえで、ドコモは5G地域でアバターによるバーチャル会議を実証実験中だ。
(参考:https://www.nttdocomo.co.jp/binary/pdf/info/news_release/topics_210114_01.pdf)
バーチャル会議の面白いところは、バーチャル空間で使える魔法にある。
吃音があってもクリック一つで資料の読み上げができるし、チックなど本人がやめたくてもやめられないような挙動も、アバターの動きを制限することで他の人の目に映らないようにできる。
多くの企業もメタバースの世界に参入しており、バーチャル状のオフィスを利用できる「バーチャルオフィスツール」サービスもあるのだ。
【なぜそう考えるのか?】
パラリンピックから発想を得た。
賛否両論あるが、私は本人の努力はもちろんあったうえで、性能のいい義足やウエアで障がいを補って競ってもいいと感じるからだ。
それならば、見た目に難がある場合もテクノロジーで解決すればいい。
アバターで仕事することは何も障がい者に限ったことでなく、つらい月経期間に平然を装うのにストレスを感じる女性や、身だしなみに時間をかけづらいママワーカー、または遠方通勤者で睡眠を削って身支度するような人の助けにもなるだろう。
20XX年、アバターで仕事することで障がいがあっても働きやすく
2025年 アバターで仕事することで障がいがあっても働きやすく
アバターを活用して仕事をすることで、障がいを持った人でも働きやすくなるだろう。もちろん、障がいを持っていない人でも活躍の場を広げられるかもしれない。
アバターを通じて世界中の人とコミュニケーションが取れることがメリットがあるため、今後自分のアバターを持つことは一般化するのではないだろうか。