使い勝手の良いプラスチックは、私たちの生活のあらゆるところで使われている。
しかし便利な一方で、プラスチックによってさまざまな問題が起こっていることも忘れてはならないだろう。もっともイメージしやすい問題が「環境問題」である。
- プラスチックが燃やされるときの温室効果ガス
- プラスチックの製造による石油資源の枯渇
- 大量のプラスチックによる海の汚染
上記のような問題が挙げられるだろう。
こういった問題を解決すべく、「紙製品」が注目されている。
今回は、私たちの生活に大きく関わるプラスチック製品について未来予測をしていこう。
目次
プラスチックを削減できればゴミを削減できる
プラスチックは加工しやすく量産できることから、今では私たちの生活に溶け込んでいる。ペットボトルやレジ袋、またシャンプーなど、生活のあらゆるところでプラスチック(石油製品)が使われているのだ。
しかし、プラスチックは生ゴミなどとは違い、自然には分解されないことが問題である。中には自然分解されるプラスチックもあるのだが、あまり普及していないことが課題である。
【解決したい課題】
ゴミのない社会を実現する
プラスチックを紙製品に代用することができれば、環境問題はもちろん、私たち人間の健康問題も改善されるのだ。
5ミリ以下になったものは「マイクロプラスチック」と呼ばれ、魚や鳥の体内から見つかっている。それを私たち人間が食べることで、私たちの体の中にもプラスチックが知らないうちに蓄積されていく危険性があるわけである。
【そう思ったきっかけは?】
ゴミとは一体なんだろうか。
改めて考えてみると、それは人間が不要だと定義しているもの、または自分のいる社会が不要だとしているものだ。
しかしきちんと分別すればリサイクルされるので、立派な資源でもあるという話はだれもが聞いたことがあるだろう。
ただ、現実的には根本的な解決をしないことにはゴミの問題はなくならないと考えている。
今回は、ゴミにならないモノづくりを考えてみた。
【何がそうさせているのか?】
現在、マイクロプラスチック問題やCO2削減目標などに代表されるように、素材やエネルギーの革新が求められている。
今後は自然エネルギーや原子力のようなCO2を排出しない発電方法が求められるだろう。
それならば、そもそもゴミにすることも、ゴミを焼却してCO2排出することもなくすモノづくりを考えるのがいいのではないか。
【既存サービス、取り組みについて】
プラスチック削減に向けてさまざまな取り組みがされているが、面白いのがインドの「クルハド」という素焼きカップだ。
伝統的に使われてきたものだったが、現代ではプラカップの使用量も増えたため、ふたたび環境保全のために政府が使用を推奨しているようだ
素焼きということは厳密に言えばCO2排出にはなる。
それでも土でできているからポイ捨てしたとしても自然に還り、環境破壊をすることがないということだろう。
さらにクルハドを作る職人を増やし失業者対策もしようということらしい。
(参考:https://www.sankeibiz.jp/macro/news/191011/mcb1910110500007-n1.html)
しかし素晴らしい製品は日本にもある。紙製食器の「WASARA」は、竹やサトウキビの繊維で作られており、耐水性や耐油性がある。
素焼きカップもいいのだが、食器に適した土を得るのはわが国では環境破壊につながりかねず、先述のようにCO2排出もある。
WASARAは原料の生産過程でエネルギーを使うが、皿の成形にプレス機を使うものの、基本的にはクリーンに生産できる。
そして接着剤などを使用しないので、生分解性がありたい肥化、つまり土に還るのだ。
(参考:https://wasara.jp/about/index2.html)
【だからこうした方がいいんじゃないか?】
インドの製作と日本の製品をかけあわせ、伝統工法による紙製品生産を、失業者対策とあわせた政策にする。
過疎化した集落に移住し、空き家を提供して紙製品の職人を育成する。
WASARAのような手間暇かかる製品はどうしても価格が高くなるが、紙製品は軽量なのでドローンによる大量輸送ができればコストダウンになるのではないだろうか。
職人として一人前になれば、独立して好きなところに引っ越して在宅ワークとして働く道もあるだろう。
原料は買えばいいし、プレス機はホットサンドメーカーのような小型のもので済むはずだ。
そして次第に職人による独自性も出てくるだろうし、焼き物文化に代わる新たな文化が生まれるかもしれない。
【なぜそう考えるのか?】
食器を買おうと思ったら、100円ショップに行けばたくさんの安価な食器が並んでいる。
それらの中には中国製も多く、輸送エネルギーなどを考えると必ずしも環境にいいとは言えない。
また、食器はなかなか捨てられないものだと思うが、商品の流通量は多く、売れ残りはゴミになってしまう。
また、ガラスや陶器の原料である土や砂が建築需要でどんどん採られていくなか、今のスピードで生産しつづけると環境破壊はもちろん原料不足になりかねない。
WASARAのように成長の早い竹やサトウキビの搾りかす、つまり廃材の利用の方が持続性・循環性があると考えた。
さらに紙製品の生産は、失業者対策とともに和紙の漉きなど伝統技術を受け継ぐ機会にもなると考えた。
プラスチックと失業者の削減に紙製品が注目される
2025年 プラスチックと失業者の削減に紙製品が注目される
今後生産されるものは、社会問題に配慮した製品が増えていくことが予想される。大量生産によってゴミを増やしていくのではなく、捨てた後のこともしっかりと考えていかなければいけないのだ。